目次
日本ボクシング最高傑作と呼ばれる井上の実力
英才教育により醸成されたスタイル
現タイトルは、第36代日本ライトフライ級王者
第33代東洋太平洋ライトフライ級王者
WBAスーパー、IBF世界バンタム級王者の井上尚弥
完璧なボクシングスタイルで
これまでの王者を倒し、
今なおその地位を守り続けています。
アメリカのボクシング専門誌では
彼のスタイルを
日本ボクシング史上最高傑作と呼ぶほど
かつて世界最速で2階級制覇を果たした
ワシル・ロマチェンコに次ぎ
8戦目で果たすなどの偉業を為し続けています。
そんな井上尚弥は、1993年4月神奈川県座間市出身
兄弟も従兄弟もプロボクサー
さらに担当トレーナーは実父という環境
幼少の頃から、ボクシング漬けの彼は
塗装業を営む傍ら、ボクシングジムを開く
父の元で練習を積んできました。
父親が自分のため、塗装業を捨ててまで
自分達のボクシングに付き合ってくれたこともあり
親子で世界王者になると誓い、努力を重ねてきたのです。
高校時代からインターハイなどでも
活躍し続けていた井上は、アマチュア時代
国体で5冠達成を果たします。
そしてその後、プロとなる際には
これまで共に歩んできた父と共に
大橋ジムに移籍
自分のことをよく知り
そして自分のために力を尽くしてきた最愛の父
その頼れる父に、これまで同様担当トレーナを依頼しています。
そんな真面目で実直な井上、
高校時代の同級生と2015年に結婚し、
今は2児のパパとしての顔も持っています。
アマチュア時代にタイトル獲得
小学校1年生の頃からボクシングを始めた井上
それから多くのタイトルを獲得してきました。
中学校時代には全国U-15大会にて優秀選手賞
高校では1年生からインターハイ、国体、選抜で
それぞれ優勝し、アジアユースでは銅メダル
高校3年生では国際大会金メダルを受賞し、
世界選手権へ出場した経験を持ちます。
また国内でも全日本選手権で優勝するほか
技能賞を受賞し、高校生では初となる
アマチュア7冠を達成
もちろんその快進撃はプロとなった後も継続
2020年10月にはジェイソン・モロニーと対戦し、
圧倒的な勝利を収め
WBA王座を4度、IBF王座を2度目となる防衛を果たしています。
無敗ではない?王者の過去
アマチュア時代に負けた相手
これだけの業績を持つ井上尚弥
その経歴を見れば、負けたことなど無いのでは
そう思ってもおかしくないことでしょう。
彼のファイトスタイルを見ても
弱点もないうえに、破壊力抜群の攻撃力
向かうところ敵なしといっても過言ではありません。
しかし実はそんな井上尚弥は、
アマチュア時代に負けた相手がいることを
かつてテレビ番組で告白しています。
アマチュア時代、井上尚弥は
公式戦で40戦連勝、7冠という
かつてない栄冠を得ています。
しかし、実は全日本選手権の決勝戦で
彼は、とあるボクサーに敗北しています。
その試合内容を振り返ってみても
井上自身が完敗だったというほど
圧倒的敗北だった様子
そんな衝撃的な敗北の相手は、
当時、駒澤大学所属だったアマチュアボクサー
林田太郎選手なのです。
なぜ彼は井上に勝てたのか
今や世界の王者が挑み、勝てない
そんな完璧な王者である井上
その彼を負かした林田選手
一体、どんな戦いだったのか
井上は、林田選手との闘いについて
自分のスタイルを出せなかった。何もできなかった。
と話しています。
相手の林田選手は、一見特に華やかさはないものの
戦ってみると、力強さや内に秘めた強さがあり、
自分よりもかなり実力が上だったとのこと
さらにそのテレビ番組では
当時の井上尚弥に勝利した林田選手にも取材
当時、林田選手は
井上尚弥のファイトスタイルを
徹底的に調べていたのだとか
顔や上半身の防御は完璧であった井上
しかし唯一の弱点を発見
それがボディだったのだそうです。
林田選手は、通常1試合で
15回程度放たれるボディーブローを
60発以上も打ち
さらに鋭く強い井上のパンチを恐れることなく
接近戦に終始するなど対策
この作戦が効果を発揮し、
井上に勝利することが出来たのだそうです。
負けは勝利へ続くサクセスロードへのスタート
敗北を期した井上のその後
これまで勝利を重ねてきた井上
大きな舞台での敗北は
ほぼこれが初めて
しかし井上はここで挫けません。
敗北とは自分を知ることなり
そこから立ち上がった者のみが
真の勝利を得て王者となる
井上は、自身が敗北した試合を
しっかりと研究し
次に備えます。
彼の夢はプロとなって、
自分達のために全てを捧げてくれた
父へ世界王者の舞台を見せてあげること
これまで以上に真摯に努力を重ね
自分の弱点克服に向け
徹底的にトレーニングを積んでいきました。
そして翌年の全日本選手権大会
決勝ではまたしても林田選手と対戦することに
ここで井上は、今のモンスターとも称される
完璧で非の打ち所がないスタイルを見せつけます。
対戦する林田選手も、
パンチもボディーブローも封じられ圧倒された
というほど完璧なもの
そしてこの試合で勝利した井上は
優勝と共に技能賞を獲得するのです。
勝利と敗北によって
全日本選手権での勝利と敗北
それは井上に大きな影響をもたらしたようです。
現に井上は、この林田選手との試合について
敗北によって練習に取り組み姿勢が変わった
と話しています。
そしてこれがプロとなった今にも
大きな影響を与えているのだとか
学生時代の敗北によって自分の鍛え方を見つめ直した井上は
この敗北がなくプロ入りしていたら、
プロで苦戦していたと語っています。
その敗北は、井上の完璧と言われる
ボクシングスタイルの確立に
無くてはならなかったのです。
一方、そんな井上に勝利した経験を持つ林田選手
彼は2度目の試合で、
井上の凄さを目の当たりにしました。
その凄さは、今後どれだけ努力を重ねても
自分が埋めることはできないもの
そう感じるほどだったそうです。
自分がプロとなっても、
井上がいる限り
自分ではチャンピオンを目指すことはできない
たった1戦でそう感じてしまうほど、
井上のボクシングは素晴らしく
凄まじいものだったということのようです。
林田選手はその後、選手であることを卒業し
現在では母校の駒澤大学でコーチを務め、
新たな選手の育成に力を注いでいます。
まとめ
これまでの国内選手と違い
積極的に世界大会に出場し
その力を世界に知らしめている井上尚弥
2020年10月には
パウンド・フォー・パウンドにて
世界2位に入る快挙を達成しました。
今後もその活躍が注目される井上尚弥
その裏には、かつての敗北から得た
努力の積み重ねがあることも見逃してはいけません。
王者は生まれながらに王者ではない
いわば、敗北を知ることによって
井上尚弥は世界王者へ昇りつめることができた
そういっても過言ではないようです。
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